はじめに
以前の記事にて組織で管理するiPhoneについてABMやVPP、DEPについて記事にしました。
DEP化したiPhoneをテストした結果、社内にてiPhoneを配布することになりました。ただし、そのまま配布してしまうとWi-Fiの接続(パスワードがないと接続できない)やデータ移行に伴うiCloudの復元の2段階認証にて確実に躓いてしまうのは間違いないです。そこで、どうしたかというと・・・
「配布前にWi-Fiだけ設定してから配布する」です。Wi-Fi含めて全て設定すると思い込んでいたことが盲点となっていたのですが、1度Wi-Fiに接続すれば電源を切ってもWi-Fiの接続情報は残るようです。つまり、配布前にWi-Fiだけ接続してから電源を切ってお渡しすることで、事実上Wi-Fiの接続をスキップした状態にできます。
簡単な流れ
初期設定時はスクリーンショットが撮れず、また写真にしても画像の量が膨大になってしまうので文字だけで流れを書いていこうと思います。ざっくりと以下の流れです。
- 言語選択画面で「日本語」を選択
- 国または地域を選択画面で「日本」を選択
- 外観にて「続ける」を選択
- クイックスタートは「もう一方のデバイスなしで設定」を選択
- 文字入力および音声入力の言語も「続ける」を選択
- Wi-Fiネットワークを選択 → Wi-Fiに接続
- iPhoneをアクティベートする
- アプリとデータを転送の画面で電源を切る
「本当にこれで大丈夫?」と思いますよね。再度iPhoneの電源を入れてみてください。電源が入って少し経つとWi-Fiの電波をつかみに行っているのがわかるかと思います。一度Wi-Fiにつながれば電源を切っても設定情報は残るのです。
おわりに
いかがでしたでしょうか。これができるのはせいぜい数十台規模の中小企業でしかできないかもしれませんが、事前にWi-Fiの接続設定をすることで、あとは滞りなく個人で機種変更ができるのです。初めから(開封から)すべてやろう、と考えていたのがよくなかったみたいです。
以上より、DEP化したiPhoneについてはWi-Fiの接続さえしといてあげれば、アクティベート~MDMの自動登録、iCloudからデータの復元なども個人にしてもらうことが可能となると思われます。
追記
※2024年6月12日
上記でWi-Fiは一度設定すればパスワードを聞かれないと書いておりましたが、特定の条件で聞かれるようです。申し訳ありません。現在、詳細を確認中です。
※2024年6月13日
上記についてapple社に問い合わせたところ、一度Wi-Fi接続を設定すると再度パスワードは聞かれないはず、と回答いただきました。また本事象についてはMDMと関係する可能性もあるとのご指摘がありました。現在、確認中です。
別件で端末によってOSアップデートの有無が変わる件については、旧iPhoneのOSバージョンに起因する可能性が高いとの回答でした。つまりは旧iPhoneのOSを頻繁にしており最新版になっているかつ新iPhoneのOSが最新でない場合、OSのバージョンの兼ね合いから旧→新に復元ができません。これを解消するべくOSのアップデートがあるのではないか、とのことでした。