はじめに
先日、会社で使用しているiPhoneを破損させてしまったという連絡を受けました。幸いにも、ソフトバンクのレンタル保守パックに加入していたため、無償での交換対応が可能となりました。しかし、そこで一つ問題が浮上しました。このiPhoneにはMDM(Mobile Device Management)を導入していたのです。
MDMは企業のセキュリティ管理に欠かせないツールですが、新しいiPhoneに再度導入する際にはDEP(Device Enrollment Program)化が必要となります。DEP化していなくてもApple Configuratorを使えばMDMを入れられますが、自動で入れられないことや一元管理ができないなどのデメリットがあります。
今回の問い合わせについては会社に常駐していない者(テレワーク)からの問い合わせであり、必然的に遠隔でMDMを入れる必要があります。このレンタル保守パックで交換されたiPhoneをDEP化する方法について、私の経験を交えてご紹介します。
ソフトバンクのレンタル保守パックの魅力
ソフトバンクの法人向けサービスの中でも、特に利用しているサービスがレンタル保守パックです。このサービスに加入していると、iPhone等のスマホが破損した場合でも無償で交換してもらえるのです。今回は自然故障ではなく転倒時に画面破損(操作不可)となったのですが無償で交換してもらえることになりました。
私たちの会社でもこのサービスを利用しており、今回のケースでもスムーズに交換対応をしていただけました。正直スマホは最も持ち運ぶデバイスだけに、このような問い合わせがよくあります。毎回無償で対応してもらえる(送料までソフトバンク負担!)ので、月額少々かかるとはいえ加入をお勧めします。
MDM導入iPhoneとDEPの重要性
企業でiPhoneを利用する際、セキュリティ管理のためにMDMを導入することが一般的です。MDMを効率的に運用するためには、DEPの活用が欠かせません。DEP端末でないと1台1台をApple Configuratorを利用してDEP端末として登録していく必要があります。
しかし、キャリアを通して依頼すればDEP化してもらった端末を納品してもらうことができるのです。このためにはDEPの申請書が必要ですが、一度、契約を交わす事でそれ以降は営業担当さんにお願いすれば、全てやっていただけるようになります。
ちなみにですがDEPとは、Appleが提供するデバイス登録プログラムのことで、iPhoneの初期設定時にMDMを自動的に適用できる仕組みです。これにより、IT管理者の負担を大幅に軽減し、セキュリティリスクも低減できます。そのため、MDMを導入しているiPhoneは通常、すべてDEP化されているのが理想的です。
レンタル保守パックとDEP化の落とし穴
ここで注意が必要なのは、レンタル保守パックで交換されたiPhoneは、そのままでは自動的にはDEP化されないという点です。私も最初は気づかず、交換されたiPhoneがDEP化されていないかもしれないと考え、営業担当さんに確認しました。
確認したところ通常の購入プロセスとは異なり、保守パックでの交換時には特別な対応が必要なようです。この問題を解決するために、私はすぐにソフトバンクの営業担当さんに相談しました。幸いにも、営業担当さんが迅速に対応してくださり、交換当日(または翌日)にDEP化を行うことができる、とご回答いただきました。
おわりに:スムーズなMDM再導入のために
iPhoneの破損は予期せぬ事態ですが、適切な対応と準備があれば、MDMの再導入も含めてスムーズに処理できます。レンタル保守パックとDEPの仕組みを理解し、担当営業さんに確認しやすい良好な関係を築いておくことが、企業のIT管理において非常に重要だと感じます。
最後に余談ですが、レンタル保守パックでの交換時、送り先に個人の自宅を指定することはできません。セキュリティ上の理由から、必ず会社住所を指定する必要があります。この点も覚えておくと良いでしょう。皆さんも、iPhoneの管理とMDMの運用において、今回ご紹介した点に注意を払ってみてはいかがでしょうか。