はじめに
私はintel MacBook(2020)を使っています。スペックはCPUi7のRAM16GBであり、今までは電池の持ち以外は特に気にすることはなかったのですが、最新OSであるSequoiaにしてから動作のカクツキを感じるようになりました。
文字の変換ですら少し引っかかる感じです。調べてみると、こんな悩みを抱えているIntel MacBook ユーザーはけっこういるみたいです。特に最新のmacOS SonomaやSequoiaへのアップデート後、パフォーマンスが著しく低下したという報告があるようです。
よって、本記事では、Intel MacBook (2020)を安定性と互換性に優れたmacOS Venturaにダウングレードする方法を、Time Machineバックアップ(大前提です)を活用して詳しく解説します。
Intel MacBookで最新OSが重くなる理由
Apple SiliconへのシフトとIntel最適化の低下
2020年後半からAppleはMacに搭載するプロセッサをIntelから自社開発の「Apple Silicon」(M1/M2/M3チップ)へと移行しました。私の使っているintel Macbookは2020年製なので最後のintelとなります。
最新のmacOSはApple Siliconに最適化される傾向が強まっており、Intel Macへの最適化は二の次になっていると思われ、Web上では、特にmacOS SonomaやSequoiaでIntel MacBookのパフォーマンスが著しく低下したという報告があるみたいです。
Intel MacBook (2020)で最新OSを使用した際の主な問題点として、個人的に気になるのは「システム全体の応答性の低下」で、表示が遅れたり、起動に時間がかかったり、いろいろな細かいアニメーションがカクつきます。
macOS Venturaの利点
Intel MacBook (2020)にとってのVenturaの優位性
macOS Venturaは、Intel MacBook (2020)にとって最適なOSバージョンの一つです。その理由は:
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安定したパフォーマンス
- Intel MacBookに対する最適化がまだ十分に維持されている
- システム全体の応答性が良好
- アプリケーションの起動時間が短い
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バッテリー効率
- 最新OSと比較して大幅にバッテリー持続時間が向上
- 発熱が少なく、ファンの稼働も抑えられる
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アプリケーション互換性
- 多くの最新アプリケーションがVenturaに対応
- クリエイティブソフトの安定動作
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セキュリティサポート
- 現在もセキュリティアップデートが継続中
- 重要なセキュリティパッチが適用される
上記の点が挙げられます。そもそもintel MacBookが最新OSSequoiaにアップグレードできるだけでも、個人的には驚いていたのですが、最新機能なども特に利用していないため、動作の重さやバッテリー効率を考えると、Venturaにダウングレードとしても良いと思います。
Time Machineバックアップの確認と準備
必要な準備物
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Time Machineバックアップがある外付けドライブ ※大前提です!
- macOS Venturaがインストールされていた時期のバックアップが必要
- MacBookの容量以上のストレージ容量を持つドライブを推奨
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電源アダプタ
- 作業中のバッテリー切れを防ぐため必須
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安定したインターネット接続
- 復元プロセス中に必要になる場合があります
バックアップの確認方法
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Venturaバックアップの存在確認
- Time Machineドライブを接続する
- Finderでバックアップフォルダを開き、日付ごとのバックアップを確認
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Venturaだった時期の特定
- Apple メニュー > このMacについて > システムレポート > ソフトウェア/インストール
- macOS Sonomaのインストール日を確認し、それ以前のバックアップがVenturaである
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現在のデータのバックアップ
- 現在使用中の重要なファイルを別の場所(iCloudやUSBメモリなど)にバックアップ
- ダウングレードで失われる可能性があるデータを保護
まあ正直、私の場合はOSをアップグレードして重くなってから、最近MacBookを使っていませんでした。よって、配信日である2024年9月17日より前の最新のバックアップからリストアします。
4. Venturaへのダウングレード手順
ステップ1: 事前準備
- MacBookを電源アダプタに接続
- Time Machineバックアップが保存された外付けドライブを接続
- 開いているアプリをすべて終了
- バッテリーが十分に充電されていることを確認
ステップ2: リカバリーモードで起動
- MacBookをシャットダウン(Apple メニュー > システム終了)
- 電源ボタンを押しながら、すぐに「Command(⌘) + R」キーを押し続ける
- Appleロゴが表示されたらキーを離す
- macOSユーティリティ画面が表示されるまで待つ
ステップ3: Time Machineバックアップから復元
- macOSユーティリティ画面で「Time Machineバックアップから復元」を選択
- 「続ける」をクリック
- Time Machineドライブを選択
- 表示されるバックアップリストから、macOS Venturaがインストールされていた時期のバックアップを選択
- バックアップの日付とOSバージョンを確認(Sonomaアップデート前のもの)
- 「復元」をクリックし、プロセスを開始
- 認証を求められたら、管理者アカウントのパスワードを入力
ただ、OSが異なる場合はOSのクリーンインストールの後で移行アシスタントを利用する必要がありそうです(私の場合がそうでした)。その際のステップは下記の通りです。
ステップ1: Venturaをクリーンインストール
- Venturaインストーラを準備する
- 別のMacでApp Storeからダウンロード
- またはAppleの公式サイトからダウンロード
- MacBookをリカバリーモードで起動する
- 電源ボタンを押しながら「Command(⌘) + R」キーを押し続ける
- macOSユーティリティが表示されるまで待つ
- ディスクユーティリティでMacintosh HDを消去する
- 「ディスクユーティリティ」を選択
- 「Macintosh HD」を選択(ボリュームグループ全体)
- 「消去」をクリック、フォーマットは「APFS」を選択
- 「消去」をクリックして確定
- Venturaをインストールする → ただし失敗するので、初期OS(Catalina)から入れ直し
- ディスクユーティリティを終了し、「macOSをインストール」を選択
- 画面の指示に従ってVenturaをインストール
- インターネットリカバリーの場合は「Option + Command + Shift + R」キーで起動
- macOS Catalinaをインストールする
- macOS CatalinaをWi-Fi経由でインストール
ステップ2: 初期設定と移行アシスタントの実行
- 初期設定を開始する
- 「こんにちは」画面で言語や地域などの基本設定を行う
- 移行アシスタントを選択する
- 「移行アシスタントを使用してデータを転送」オプションを選択
- または初期設定後に「アプリケーション > ユーティリティ > 移行アシスタント」を起動
- Time Machineバックアップを選択する
- 「Time Machineバックアップまたはスタートアップディスクから」を選択
- Time Machineドライブを接続し、選択
- Venturaがインストールされていた時期のバックアップを選択
- 転送する項目を選択する
- アプリケーション、ユーザーアカウント、設定などから必要なものを選択
- 不要なアプリや大きなファイルは除外可能
- 「続ける」をクリックして転送を開始
- 転送プロセスの完了を待つ
- データ量によって時間は変動
- 完了後、MacBookが再起動
ステップ3: 移行後の確認
- ユーザーアカウントでログインする
- 移行したユーザーアカウントでログイン
- パスワードを入力
クリーンインストールに必要なもの
- インターネット接続
- Apple ID(App Storeにログインするため)
- 少なくとも12GB以上の空き容量(インストーラのダウンロードと作成用)
- 16GB以上のUSBフラッシュドライブ(ブータブルインストーラを作成する場合)
詳細手順
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macOS Venturaのダウンロードリンクを開く
- Safariブラウザで以下のリンクを開く:
- https://apps.apple.com/jp/app/macos-ventura/id1638787999
- または「Apple macOS Ventura ダウンロード」で検索
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App Storeでダウンロードを開始
- 「入手」または「ダウンロード」ボタンをクリック
- Apple IDでのサインインを求められたら、認証情報を入力
- ダウンロードが開始される
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ダウンロードの確認
- ダウンロードが完了すると、インストーラが自動的に起動する場合がある
- この時点ではインストールを実行せず、インストーラを閉じる(⌘+Q)
- インストーラは「アプリケーション」フォルダ内に「macOS Ventura インストール」という名前で保存される
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インストーラの確認
- Finderを開き、「アプリケーション」フォルダに移動
- 「macOS Ventura インストール」アプリが存在することを確認
- このアプリのサイズは約12GB程度
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(オプション)ブータブルUSBインストーラの作成
- 16GB以上のUSBドライブをMacに接続
- USBドライブのデータはすべて消去されるため、重要なデータはバックアップを取る
- 「ディスクユーティリティ」でUSBドライブを「APFS」形式でフォーマット
- ターミナルを開き、以下のコマンドを入力(USBドライブの名前が「MyVolume」の場合):
sudo /Applications/Install\ macOS\ Ventura.app/Contents/Resources/createinstallmedia --volume /Volumes/MyVolume
- パスワードを入力し、処理が完了するまで待つ(15〜20分程度)
5. ダウングレード後の設定と注意点
必要な初期設定
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Apple IDでサインイン
- iCloudと各種サービスを再接続
- 必要に応じて二要素認証を設定
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アプリケーションの確認
- すべてのアプリが正常に動作するか確認
- 必要に応じてアプリを再インストールまたはアップデート
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セキュリティとプライバシー設定
- セキュリティ設定を確認し、必要に応じて調整
- アプリケーションのアクセス許可を再設定
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自動アップデートの無効化
- システム設定 > ソフトウェアアップデート > 詳細
- 「macOSアップデート」のチェックを外す
ダウングレードに伴う影響と対処法
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データの互換性
- 最新OSで作成したファイルが開けない場合は、互換性のあるアプリバージョンを探す
- 重要なドキュメントは標準的なフォーマット(PDF、テキストなど)で保存しておく
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iCloudとの同期
- iCloudデータの再同期に時間がかかる場合がある
- 写真や書類が完全に同期されるまで待つ
- 同期に問題がある場合は、iCloudからサインアウトして再サインイン
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アプリケーションの互換性
- 最新OSでしか動作しないアプリは使用できなくなる
- App Storeから互換性のあるバージョンを再インストール
- 開発元のウェブサイトで互換性情報を確認
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セキュリティアップデート
- macOS Venturaのセキュリティアップデートは継続して適用する
- システム設定 > ソフトウェアアップデートで定期的に確認
まとめ
Intel MacBook (2020)では、最新のmacOSによってパフォーマンスが低下することがありますが、Time Machineバックアップを利用することで、安定したmacOS Venturaに戻すことができます。
Venturaは、Intel MacBookにとって最適なバランスを提供するOSバージョンと言えるでしょう。パフォーマンスの向上、バッテリー持続時間の改善、発熱の軽減など、多くのメリットが期待できます。
ダウングレードを実行する際は、必ず事前にデータをバックアップし、Time Machineの復元プロセスを慎重に進めてください。また、セキュリティアップデートは定期的に適用することを忘れないようにしましょう。
なお、今回のブログ内容についても、例の如く不具合が起きたりしても一切責任は負えないのでご了承ください。楽しいMacライフにしましょう!