はじめに
今まではupnoteとFelo AIを活用し、それに加えてストレージとしてGoogle Oneで200GBのサブスクを利用しておりましたが、Gemini一本化しました。結果的に月額200円追加となったのですが、個人的にかなり満足していることをブログにします。
実際に利用していたノートアプリ「Upnote」と生成AI検索サービス「Felo」の利用を停止し、「Google Gemini」および「Googleドキュメント」へ情報管理を集約した経験をもとに、そのメリット・デメリット、具体的な移行方法、そして気になるコストについて詳しく解説します。
「Geminiの活用方法が知りたい」「UpnoteやFeloからの乗り換えを検討している」「サブスクリプションを見直してコストを最適化したい」「AIを活用して業務効率を上げたい」「ノートやコードスニペットを一元管理したい」といった課題がある方の気づきになれば幸いです。
これまでの情報管理:UpnoteとFelo、そしてGoogleドライブ
筆者はこれまで、主に以下のツールを情報管理や業務効率化のために利用していました。
- Upnote: Markdown対応のノートアプリ。会議のメモ、技術情報、コードスニペットなどを記録。
- 月額費用:300円
- Felo: いろいろなことができる生成AIサービス。特に調べ物に強いイメージ。
- 月額費用:2,100円
- Googleドライブ: クラウドストレージ。主にAndroidスマートフォンのデータバックアップ(Googleフォト含む)のために200GBプランを利用。
- 月額費用:400円
これらに加え、Googleドキュメントも日常的に利用しており、それぞれのツールである程度の効率化は図れていました。しかし、情報があちこちに散らばっていることによる検索性の悪さや、ツールを切り替える手間、そして複数のサブスクリプション費用(合計 300円 + 2,100円 + 400円 = 2,800円)が気になっていました。
特にコードスニペットの管理においては、UpnoteでもMarkdown形式で保存はできるものの、専用ツールと比較すると検索性や再利用性に課題を感じていました。あと、検索性がイマイチ。私だけなのか、日本語検索の精度が悪いなど。
なぜGeminiへの一本化を検討したのか?
そんな折、GoogleのGeminiが登場し、その進化に注目していました。当初はChatGPTのような対話型AIという印象でしたが、ドキュメント作成補助、情報収集についてはやはり生成AIの2台トップというかかなり勢いがあります。
Geminiに情報管理を集約することで、以下のメリットがあると考えました。
- 情報の一元管理: あらゆる情報(テキストメモ、ウェブクリップ、コード、アイデアなど)をGeminiとGoogleドキュメントというGoogleエコシステム内に集約できる。
- AIによる業務効率化: Geminiの強力なAI機能を活用し、文章作成、要約、翻訳、アイデア出しなどを効率化できる。
- コスト最適化: 複数の有料サービスを解約し、Geminiの有料プラン(例:Google One AIプレミアム 月額3,000円 ※2TBのストレージ含む)にまとめることで、既存のGoogleドライブの費用も含めてトータルコストを最適化できる。
これらの期待から、UpnoteとFeloの利用を停止し、Geminiを中心とした情報管理体制へ移行することを決断しました。ただGoogle AI Pro(Google One AIプレミアム)は1ヶ月間お試しができるので、その期間で使い勝手を試してみよう、と。想像以上に捗ったため、おすすめです。
具体的なGemini・Googleドキュメント活用術
1. Googleドキュメントでのノートテイキング術
Googleドキュメントを単なる文書作成ツールとしてではなく、ノート管理のハブとして活用するために、いくつか工夫をしています。
- フォルダ構成の最適化: Googleドライブ内で、「業務ノート」「会議議事録」「技術情報」「コードスニペット」など、目的別にフォルダを作成し、整理します。
- ドキュメントの命名規則: 「YYYYMMDD_会議名_議事録」「技術名_調査メモ」のように、後から検索しやすい命名規則を設けます。
あと、Geminiを使って文章内の添削をすることで、適当な文章やメモ書きについても指示するだけで綺麗に校正したり、いい感じにテイストを変えてくれる機能も便利だったりします。他に気になるのは、コード管理なのですが・・
2. Googleドキュメントと「Code Blocks」アドオンによるコード管理
これまではUpnoteにプレーンテキストやMarkdownのコードブロックとして保存していましたが、Googleドキュメントと「Code Blocks」アドオンを組み合わせることで、より見やすく、管理しやすくなりました。無料のアドオン(拡張機能)なので、オススメです!
- 「Code Blocks」アドオンのインストール: Google Workspace Marketplaceから「Code Blocks」を検索し、Googleドキュメントに追加します。
- Code Blocksの使い方:
- Googleドキュメント内でコードを挿入したい箇所にカーソルを置きます。
- アドオンメニューから「Code Blocks」を選択し、「Start」をクリックします。
- 表示されたサイドバーで、プログラミング言語(Python, JavaScript, SQL, Shellなど多数対応)を選択します。
- テーマ(背景色や文字色)も複数から選択可能です。
- コードをテキストエリアに貼り付けるか入力し、「Format」をクリックすると、シンタックスハイライトが適用されたコードブロックがドキュメントに挿入されます。
この方法により、コードの可読性が向上し、ドキュメント内で他の情報と共に見やすく管理できるようになりました。特定のスクリプトや設定ファイルの内容を、関連する手順書や説明文と同じドキュメント内に綺麗に埋め込めるのは大きなメリットです。
コスト比較とメリット・デメリット
変更前後の月額費用
- 移行前(合計:2,800円/月)
- Upnote: 300円
- Felo: 2,100円
- Googleドライブ (200GBプラン): 400円
- 移行後(合計:3,000円/月)
- Google One AIプレミアム: 3,000円
- Gemini Advanced (高機能AIモデル)
- Gmail、ドキュメントなどでのGemini機能の統合
- 2TBのクラウドストレージ (Googleドライブ、Googleフォト等で利用可)
- Google One AIプレミアム: 3,000円
差額は、月額プラス200円となります。
メリット
- 情報の一元管理と検索性の向上: これまでUpnoteやその他の場所に分散していた可能性のある情報が、Googleのサービス内に集約されることで、情報の検索性が大幅に向上しました。Googleドライブの強力な検索機能とGeminiのAI検索(期待)により、必要な情報へ素早くアクセスできます。
- ツールの集約によるコンテキストスイッチの削減: 複数のアプリケーションを切り替える手間が減り、思考が中断されにくくなりました。特に、メモを取りながらAIに質問したり、ドキュメントを作成しながら関連情報をGeminiで検索したりといった作業がシームレスに行えます。
- Gemini Advancedの高度なAI機能: 月額3,000円のプランにはGemini Advancedが含まれており、標準のGeminiよりも高度な推論能力、長文理解、コーディング支援などが利用可能です。これにより、資料作成、メール作成、複雑な問い合わせへの回答支援など、より幅広い業務での効率化が期待できます。
- Googleドキュメントの豊富な機能のフル活用: 共有、共同編集、コメント、変更履歴など、Googleドキュメントが持つ強力なコラボレーション機能を最大限に活用できます。Code Blocksアドオンとの連携もスムーズです。
- クラウドストレージの大幅増量: Google One AIプレミアムには2TBのストレージが含まれており、従来の200GBから大幅に増加します。筆者はAndroidユーザーでGoogleフォトも活用しているため、写真や動画のバックアップ容量の心配が減ったのは大きなメリットです。
デメリットと考慮事項
- 月額200円のコスト増: 純粋な費用としては若干増加します。この200円の差額を、得られるメリット(AI機能の強化、ストレージ増量、情報一元化による効率アップ)でどう評価するかがポイントです。
- 特化型ツールの操作性には劣る場合も: Upnoteのような軽快なMarkdownエディタや、特定の機能に特化したノートアプリ(例えば高度な双方向リンクを持つObsidianなど)と比較すると、Googleドキュメントは多機能ゆえの若干の動作の重さや、シンプルさでは劣る面があるかもしれません。Code Blocksも便利ですが、本格的なIDEやGitHub Gistのような専用のコード管理・共有プラットフォームの利便性には及びません。
- Geminiへの依存度上昇: 情報管理の多くをGeminiおよびGoogleのサービスに依存することになるため、Googleのサービス障害時やポリシー変更時の影響を考慮しておく必要があります。
実際に移行してみての所感
Geminiへの一本化を進めてみて、最も大きなメリットだと感じているのは、やはり情報がGoogleエコシステム内で完結することによる安心感と検索性の向上です。これまで「あの情報はUpnoteだったか、ドキュメントだったか…」と探す手間がありましたが、それが大幅に削減されました。検索性が上がったことはかなり便利になったと感じます。
また、Gemini Advancedの文章作成支援やアイデア出しの能力は期待以上で、資料の骨子作成やメールの文面作成などで早速役立っています。Googleドキュメントに「Code Blocks」でコードを埋め込めるようになったのも、技術メモの作成効率を上げてくれました。
月額200円の追加コストについては、得られるストレージ容量の大幅アップ(200GB→2TB)とGemini Advancedの利用権を考慮すれば、個人的には十分に許容範囲内であり、むしろコストパフォーマンスは向上したと感じています。
最後に、今最も熱いサービスであるNotebookLMについてもGoogle AI Proであれば、上のプランで使うことができます。私の場合はUpnoteからエクスポートしたエキストファイル(250ファイルなど)を一気にNotebookLMに読み込ませることで、一元管理できました。
まとめ
今回のUpnoteとFeloの利用を停止し、Gemini(Google One AIプレミアム)およびGoogleドキュメントへ情報管理を集約した結果、月額わずか200円の追加コストで、以下の大きなメリットを得られる見込みが立ちました。
- 高度なAI(Gemini Advanced)の活用による業務効率化
- 2TBの大容量クラウドストレージの確保
- 情報アクセスの迅速化と、思考を妨げないシームレスな作業環境
- GoogleドキュメントとCode Blocksによる質の高いノート・コード管理
もちろん、これは筆者個人の利用状況や価値判断に基づくものであり、全ての方に当てはまるわけではありません。特定の機能に特化したツールのほうが適している業務やユーザーも存在するでしょう。
しかし、日々多くの情報に接し、複数のタスクを同時並行で進めることが多いIT担当者にとって、情報を一元化し、AIの力を借りて業務を効率化していくことは、今後ますます重要になると考えられます。
今回の事例が、皆様の情報管理方法やサブスクリプションの見直し、そしてAI活用の検討の一助となれば幸いです。
おわりに
本記事を読んで、ご自身の情報管理環境やサブスクリプションについて考えるきっかけになったのであれば嬉しく思います。
もし少しでも興味を持たれたなら、以下のステップを試してみてはいかがでしょうか。
- 現在利用しているノートアプリや情報管理ツール、サブスクリプションサービスをリストアップし、それぞれのコストと役割を整理してみる。
- Googleドキュメントの「Code Blocks」アドオンをインストールし、手持ちのコードスニペットをいくつか登録してみる。
- Gemini(無料版からでも可)に、日常的な疑問や文章作成のサポートを依頼してみる。
これらの小さなステップから、ご自身にとって最適な情報管理の形が見えてくるかもしれません。
今回はサブスクリプションの最適化に焦点を当ててプランを見直したところ、想像以上のメリットを感じられた内容をブログにしました。Geminiの魅力としてはストレージが大幅追加される点ですよね。私は初めからストレージの追加も希望していたので、願ったり叶ったりでした。
ただお使いのプラットホームがWindowsなのか、iPhoneなのか、Androidなのかで最適解が変わってくるとは思いますが、一度サブスクを見つめ直してみてはいかがでしょうか。